【坐骨神経痛】起きる・座る・立つ・歩く動作を楽にする5つのエクササイズ
坐骨神経痛に対して薬を飲んだり、運動指導を受けたりしていても、日常生活の動き方によって症状が悪化することがあります。
特に注意したいのが、次のような動作です。
- ベッドや床から起き上がる
- 椅子に座る
- 椅子から立ち上がる
- 立った姿勢を保つ
- 歩く
この記事では、これらの動作を楽にするための姿勢とエクササイズを紹介します。
実際の姿勢や体の動かし方は、YouTube動画で詳しく解説しています。文章だけでは動きが分かりにくい場合は、動画を見ながら一緒に行ってみてください。
▶︎【動画で実践する】
エクササイズを始める前の注意点
坐骨神経痛の症状や楽になる姿勢は、人によって異なります。
前かがみになると楽になる方もいれば、体を起こした方が楽になる方もいます。そのため、今回紹介する姿勢が全員に当てはまるわけではありません。
運動中は、自分の症状を確認しながら無理のない範囲で行ってください。
痛みやしびれが軽くなる場合は続けても構いませんが、症状が強くなる場合は運動を中止しましょう。
最初に楽な姿勢を確認する
エクササイズを始める前に、自分が楽に動ける方向を確認します。
体を左右に倒す
立った姿勢、または椅子に座った姿勢で両手を胸の前に組みます。
そのまま体を右と左へ倒し、左右で症状や動かしやすさに差がないか確認してください。
腰を丸めたり反ったりする
横向きになり、腰を軽く丸めたり反ったりします。
次のポイントを確認しましょう。
- 腰を丸めると楽になるか
- 腰を反ると楽になるか
- どちらの姿勢で症状が強くなるか
エクササイズ中は、ここで確認した楽な姿勢を意識します。
エロンゲーションを意識する
エロンゲーションとは、ピラティスで使われる「体を上下に長く伸ばす意識」です。
あごを軽く引き、頭の上を天井方向へ伸ばします。同時に、お尻や足の裏は床方向へ伸ばすように意識してください。
この姿勢を作ることで、体幹を使いやすくなります。
ただし、体を伸ばそうとして腰を反りすぎる必要はありません。腰が丸まりすぎたり反りすぎたりしない、自分にとって楽な位置を探しましょう。
エロンゲーションの姿勢は言葉だけでは分かりにくいため、動画で実際のフォームを確認するのがおすすめです。
▶︎【エロンゲーションの姿勢を動画で確認する】
1.楽に起き上がるためのエクササイズ

朝起きた直後は体が十分に動きにくく、腰の痛みや脚の神経症状が出やすい場合があります。
上半身だけで無理に起き上がろうとせず、腕や脚を使うことが大切です。
仰向けで楽な腰の位置を探す
仰向けに寝て両膝を立てます。
腰を軽く丸めたり反ったりして、一番楽に感じる位置を探してください。
腰を丸めた方が楽な場合は、少し丸めた姿勢を保ちます。反った方が楽な場合は、無理のない範囲で反った姿勢を保ちましょう。
丸太のように横を向く
楽な腰の位置を保ったまま、腕と脚を使って横向きになります。
息を吐きながら、体を丸太のように一直線に保って転がすことがポイントです。
腰だけをひねらないように注意してください。横を向く方向へ腕を伸ばすと、腹筋を使いやすくなります。
腰を長く保って起き上がる
横向きになったら、床やベッドを腕で押して起き上がります。
上半身だけで起きようとすると、腰の横が縮まり、痛みやしびれが出ることがあります。
骨盤を下方向へ遠ざけるように意識し、腰を長く保ったまま起き上がりましょう。
ベッドの場合は、脚をベッドの外へ下ろしながら起き上がります。床の場合は、腰を強くひねらないように四つ這いを経由すると動きやすくなります。
症状が出にくい側を上にして起き上がる方法も試してみてください。
起き上がる動作と寝る動作を5回程度繰り返し、自分にとって楽な動き方を確認しましょう。
2.座った姿勢で行うペルビック・ティルト

ペルビック・ティルトは、骨盤を前後や左右へ動かすエクササイズです。
骨盤を前後に動かす
椅子に座り、エロンゲーションを意識して体幹をまっすぐに保ちます。
その姿勢から、骨盤を後ろへ倒したり、前へ起こしたりします。
腰を丸めると症状が強くなる場合は、骨盤を後ろへ倒しすぎないようにしてください。反対に、腰を反ると症状が強くなる場合は、骨盤を前へ起こしすぎないようにします。
背中全体を大きく丸めたり反ったりせず、体幹を安定させたまま骨盤だけを動かすことがポイントです。
骨盤を左右に動かす
骨盤を右と左へゆっくり傾けます。
右へ倒した方が楽な場合は右方向へ、左へ倒した方が楽な場合は左方向へ、症状が出ない範囲で動きを広げてください。
前後と左右の各方向を、それぞれ10回程度行いましょう。
3.楽に立ち上がるためのエクササイズ

椅子から立ち上がるときに腰を丸めすぎたり反りすぎたりすると、坐骨神経痛が悪化する可能性があります。
腰だけで動かず、股関節を使って立ち上がることが大切です。
股関節から上半身を倒す
椅子に座り、症状が出にくい腰の位置を確認します。
エロンゲーションを意識して体幹を安定させたら、腰を丸めずに股関節から上半身を前へ倒します。
上半身を前へ倒したら、元の位置へ戻ります。この動きを繰り返し、股関節から動く感覚を練習してください。
腰が大きく動くと症状が悪化することがあります。体幹を一直線に保てているか確認しましょう。
股関節を使って立ち上がる
股関節から上半身を前へ倒したら、その姿勢を保って立ち上がります。
座るときは、お尻を後ろへ突き出すようにして股関節を曲げます。腰が丸まりすぎたり反りすぎたりしないように注意してください。
股関節の前に手を当て、チョップするように触れながら動くと、股関節の位置を意識しやすくなります。
前傾の練習と立ち座りを、それぞれ5〜10回程度行いましょう。
4.立った姿勢で行うペルビック・ティルト

次は、立った状態で骨盤を動かします。
骨盤を前後に動かす
足を肩幅程度に開いて立ちます。
骨盤を後ろへ倒して腰を丸め、次に骨盤を前へ起こします。
腰を丸めると症状が強くなる場合は、後ろへ倒しすぎないようにしてください。腰を反るとつらい場合は、骨盤を前へ起こしすぎないようにします。
エロンゲーションを意識し、上半身をつぶさずに骨盤だけを動かしましょう。
骨盤を左右に動かす
骨盤を右と左へ移動させます。
上半身全体を傾けるのではなく、左右の腰骨を結んだ線が床と平行になるように意識してください。
体重を移した側のお尻に力が入る感覚を確認しながら、左右へゆっくり動きます。
前後と左右の各方向を、それぞれ10回程度行いましょう。
5.歩きを楽にする片足立ちエクササイズ

歩いているときに痛みやしびれが出る場合、腰を丸めすぎたり反りすぎたりした状態で体重をかけている可能性があります。
片足立ちの練習を通して、自分に合った姿勢を保ちながら体重を移す感覚を身につけましょう。
安全に片足立ちを行う
転倒を防ぐため、壁や椅子など、すぐにつかまれるものを用意してください。
片脚を軽く上げます。脚を高く持ち上げる必要はありません。
腰を軽く丸めた姿勢と、体を少し起こした姿勢を試し、自分が楽に立てる位置を探します。
骨盤を水平に保つ
左右の腰骨を結んだ線が床と平行になるように意識します。
体幹の位置を保ったまま片脚へ体重を移し、2〜3秒間姿勢を保ってから戻します。
反対側も同様に行いましょう。
「1・2・3」と数えながら左右交互に行うと、一定のリズムで練習できます。
疲れてくると体が沈み、骨盤も傾きやすくなります。体を上下に長く保ち、お腹やお尻の筋肉を使いながら行ってください。
片側10〜20回が目安です。
エクササイズ後に歩いて確認する
片足立ちを行った後は、練習した姿勢を意識して20〜30歩ほど歩きます。
歩く場所がない場合は、その場で足踏みをしても構いません。
エクササイズ前と比べて、歩きや痛み、しびれが変化したか確認しましょう。
起き上がりから歩行までの一連の動作は、YouTube動画で実演しています。フォームに不安がある方は、動画を一時停止しながら練習してみてください。
▶︎【5つの動作改善エクササイズを動画で見る】
5つの動作改善ポイント
今回紹介した内容をまとめます。
1.起き上がり
腰だけで起き上がらず、腕や脚を使いましょう。腰を強くひねらず、体を長く保つことがポイントです。
2.立ち上がり
腰ではなく、股関節と脚を使って立ち上がりましょう。
3.座った姿勢
つらい姿勢を無理に取らず、自分にとって楽な骨盤の位置を探しましょう。
4.立った姿勢
片側へ体重を寄せすぎず、骨盤を水平に保ちながら小さく重心を移動させましょう。
5.歩く動作
腹筋やお尻の筋肉を使い、体をつぶさずに歩きましょう。
症状が強い場合は医療機関へ
今回紹介した運動は、すべての坐骨神経痛に適しているわけではありません。
次のような症状がある場合は、セルフエクササイズよりも先に医療機関へ相談してください。
- 急に脚の痛みが強くなった
- 排尿や排便に異常がある
- 安静にしていても症状が改善しない
- 運動によって痛みやしびれが強くなる
強い症状を我慢して運動を続けないようにしましょう。
まとめ
坐骨神経痛がある場合は、腰を丸めたり反ったりしすぎないことが大切です。
ただし、全員が同じ姿勢で楽になるわけではありません。まずは自分の症状が軽くなる方向を確認し、その姿勢を保ちながら起き上がる、座る、立つ、歩く動作を練習しましょう。
頭と骨盤を遠ざけるようなエロンゲーションを意識すると、日常生活でも体幹を使いやすくなります。
文章だけでは分かりにくい姿勢や動きのポイントは、YouTube動画内で理学療法士が実演しながら解説しています。間違ったフォームを避けるためにも、ぜひ動画と一緒に実践してみてください。
▶︎【坐骨神経痛の動作改善エクササイズを動画で見る】
動画が参考になりましたら、チャンネル登録と高評価をよろしくお願いします。
また、起き上がるとき、座っているとき、立ち上がるとき、立っているとき、歩いているときのうち、どの動作で症状が強く出るか、ぜひYouTubeのコメント欄で教えてください。
